【雑感】シュプリームやロレックスはなぜ定価販売なのか?
転売ヤーとプレミア価格
ゴローズやシュプリームの行列とプレミア価格
ロレックスの定価とプレミア価格
有名な本ですが、
マイケル・サンデルの「それをお金で買いますか 市場主義の限界」という本に以下の記述がありました。
ダフ行為の擁護者はこう不公平を言う。行列は「自由時間を最も多く持っている人をえこひいきする」と。
そのとおりである。
だがそれは、市場が最もお金を持っている人を「えこひいきする」のと同じ意味にすぎない。
市場が支払いの能力と意思に基づいて財を分配するように、行列は並んで待つ能力と意思に基づいて財を分配する。
ある財にお金を支払おうとする意思のほうが、行列に並んで待とうとする意思よりも、ある人にとっての財の価値をより正確に測れると考える理由はないのである。
要するに、行列より市場を支持する功利主義的議論は、偶然に大きく依存しているのだ。
財を最も高く評価する人に、市場がそれを渡すこともあれば、行列がそうすることもある。
行列に並ぼうとする意思は、お金を支払おうとする意思よりも、本当に買いたい意思の表れなのです
一方、市場は、市場価格によって支配されており、市場価格は支払える人にものを与えています。
結局、どちらも「えこひいき」しています!
うーーん、深いです。
定価のものが市場価格の商品に変わる時、何かが失われます。
値段が高すぎて買えない人々が味わう失望を超えた何かが。
なんでしょう?
端的に言えば、
例えば、ストリートブランドのシュプリーム!
価格を入札制にし、入札金額の多い方が買えるようにすることもできますが、多くのファンが失望するでしょう。
多くのファンは行列に並び、定価で買いたいのです!
また、ロレックスのデイトナ、パテックのノーチが市場価格で売られた場合も、多くのひとは失望するでしょう。
メーカーは定価を設定し、誰でも買えるブランドであることをアピールしたいのです。
ファンも定価で買えることが嬉しいと感じます。
メーカーはファンに失望されないよう努めています。
デイトナやノーチは並行店では市場価格でプレミア価格です。
しかし、メーカーは市場価格を容認し、ファンのために定価で売るしかないのです。
定価で売っている限り、誰も失望しません。
シュプリームもロレックスも買える人の公平性を尊重しているんですね!